7月の着物について

夏のお着物でおすすめの柄

7月といえば盛夏、近年では40°を超える日も度々ありました。
そういう中で、ご自分もいかに涼しく、また見た目にも涼感を誘うような着物姿でありたいと思います。

着物の世界は、実際の季節より、一足早く身につけるのが粋と言われています。

まず色は夏の暑さをクールダウンしてくれるような寒色や気品を感じさせるようなモノトーン、少しくすんだ色味を感じさせない物がいいかも分かりません。  
 
絽とか紗の透ける着物には、長襦袢の白が涼しさを誘う黒とか紺のような濃い色も良いかもしれません。

柄ですが、涼やかに装うための見た目にも、涼しげなものがいいと思います。
例えば、紫陽花 ・朝顔・竹・笹・流水・季節を先取りしたトンボ・桔梗などもいいかもしれません。
また季節を問わない抽象的な柄、吉祥柄などもいいかもわかりません。

7月に単衣は良いか?薄物じゃないとだめでしょうか?

一般に単衣の着物といえば、6月と9月に着る単衣着物のように思われていますが、裏をつけない一重仕立ての着物のことを「単衣の着物」といいます。表地は、袷の反物を使う場合と、7・8月に着る薄物の反物を使うかの違いです。

7月に単衣でもいいか?薄物じゃないとだめかということですが

暑さの増した7・8月は単衣に仕立てた着物で普段着物で涼しい素材の綿や麻・絹の夏着物とか薄くて透け感のある素材の薄物着物を着ます。
ご質問の薄物じゃないとだめかということですが、この場合はお召しになるシーンや目的で変わってきます。

普段にきる夏着物の場合

綿素材や麻素材の単衣

「綿素材の夏着物(綿素材の単衣)」として浴衣がありますが、柄が大柄でなく小紋風の飛び柄ですと着方によれば夏着物して着ることができます。

「綿麻素材の夏着物(綿麻素材の単衣)」には、しじら織り等の凸凹した風合いは普段着物にぴったりです。他に片貝木綿・越後ちじみ等もあります。

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「麻100%の夏着物(麻素材の単衣)」に小千谷縮があります。楊柳織りで、ボコボコしてますので風通しが良く涼しく着ることができます。速乾性があるので、朝洗えば午後からはお召しいただける夏着物の王様と言われています。しかし最近は、作る人が少なくなっているのは残念なことです。

薄物の着物

ここからは、薄物の着物のお話になります。

「絹素材の普段着夏着物」に「紗」があります。
紗がかかったようにとか、薄く霞がかかったような様子を言い、向こう側が透き通って見えます。蝉の羽のように薄く軽い普段着物です。絽の着物以上に透けていてその特徴から着物だけでなく羽織等にも使用されます。

「琉球絣」も、元は綿でおられていましたが現在では絹になっています。透けて見える軽やかな普段着の夏着物です。

「麻でおられた宮古上布」なども、とても薄くて、軽やかで涼しげで一反織るのに、2ヶ月はかかると言われます。(上布とは、江戸時代幕府へ上納する高級な麻織物ということで上布と言われる)麻織物ですが、織り上げた布は、ろうを引いたように滑らかで、通気性に富み、3代もつと言われるほど丈夫で長持ちします。高級品ではありますが、夏の薄物普段着物です。

「絽の着物」は結婚式やパーティー、卒業式などフォーマルの席で着ることができるため黒留や、訪問着や色無地などに使われています。勿論普段に着る「絽の小紋」もあります。
絹素材が中心ですが、綿絽と言われる普段着物にも使われますがこちらは薄物ではありません。

このように、何点か7月の着物をあげてみましたが、夏着物をお召しになる目的によって、決められるといいと思います。

薄物は主におしゃれ着や礼装用・式服として着る場合が多い為、そのようなシーンでの7月着物は薄物です。

いくら最近冷房完備がされていると言ってもそれは良くないと思います。
(結婚式場での黒留等の式服では 袷の着物を着ることがありますがこれは例外です)

この時期におすすめの帯

☆半幅帯
浴衣帯でポリエステル両面リバーシブルが夏浴衣帯があります。花火大会で浴衣を着るだけ他は着たことはないという方でも此の半幅帯はお持ちだと思います。此の帯は本来オールシーズン使用できますので夏は風とうしが悪く暑いものです。浴衣帯・使用できます。滑りやすいのが欠点かもしれません。
☆麻の半幅帯・リバーシブルもあります。麻の帯は色味が優しい淡い帯が多いように思います。素材が麻50%ポリ50%などと、表示されておりますので、確認されるといいと思います。浴衣や普段着物の帯として使用できます。
☆本麻の帯は、麻100%。ですのでこういうの夏に風通し肌触りも爽やかで涼しいです。浴衣・普段着物に使用できます。
☆浴衣の反物で作った半幅帯は、帯芯を入れるとしっかりします。浴衣や普段着物に使用します。
☆レースで作られた半幅帯は、綿素材が多く冬以外の浴衣や普段着物に使用します。
☆単衣帯というのがありまして、裏表が1枚でおられた半幅帯です。今までの袋仕立ての半幅帯とは違い軽くて使いやすいです。
☆博多の献上半幅帯は、普段着物に使用できます。
☆小千谷縮に合わす帯。小千谷縮は普段着ですが、お出かけ用にもお召し、頂けます。普段着物で召しいただく場合は半幅帯で、ちょっとしたお出かけ着どうして、少々改まって、紗の博多の半幅帯になりますと、いいのではないでしょうか。浴衣で
☆名古屋帯
「紗」とか「羅」の名古屋帯はおしゃれ着物までです。真夏の帯である、「羅の帯」は、粗くおられて見るからに涼しげで素敵なものですが、フォーマルには合わせられません。
・普段着物に、金糸の入ったような「絽の名古屋帯」は格が違いすぎるので使用しません。絽の名古屋帯はオシャレ着以上フォーマルよりの帯です。
☆羅の帯粗い目で織った大きく隙間があり一番涼しげな夏着物にぴったりの帯です。
☆苧(からむし)の名古屋帯はおしゃれ帯として絞めます。
☆紗の博
☆紗の帯
☆紗献上献上博多帯
☆絽の袋帯は、フォーマルセミフォーマルおしゃれ着ぐらいまで締めます。

私は夏の普段着物、浴衣には兵児帯利用しております。手早く締めれて簡単なので利用しています。素材は、綿・絹ポリの変わり織りなどです。

夏の帯で注意すること

注意点という事ですが、「帯の場合は汚れても、家では洗わない」ということです。
 
以前こんなことがありました。

夏着物用の帯ではありませんが、白に近い訪問着には、同じような白一色の刺繍がしておりましたので、脱いだ時に帯の色が染まっているのがすぐわかりました。あまりにも汗をかいたのが原因です。

着物と帯を合わせて買ったもので、今まで一度も見たことのないような帯でした。
その帯の色が、着物に染まったためです。

すぐに着物と帯を専門のクリーニング業者にだしました。しかし、戻ってきた帯は、本来の豪華さはなくなって、品物が違うのではないかというぐらい変化したことがあります。

求めた帯の問屋に対処方法を調べてもらいましたが、結局訳がわからず草木染めを使った所があったりではないか?とかノリが落ちたのではないかとか?結局一点ものの帯でしたので理由が、分からないままで終わったことがあります。

錦糸も織り込まれたそれは見事な帯でしたので、今後もどうしても使用したいということで、色々対処してもらいましたが、結局、どうにもならなかった・・・という失敗談です。

専門のお店でもこのようなことが起きますので、帯の洗濯については家では避けられたほうがよろしいかと思います。

暑い日でも着物を楽しみたい時の対策

☆ 透けない 普段着物の 場合

私は普段着物の場合夏に限らずさらしを胸に巻き、ステテコと半襦袢です。
半襦袢の場合には、付け襟をします。夏はビーズの付け襟です。
特にさらしは汗を吸い取ってくれるのでありがたいです。

☆袖だけ麻や紗の素材を使い胴はさらしとかクレープで作った半襦袢ということもあります。
ステテコを履かない場合は、裾除けも麻や紗の素材で作ります。

・長襦袢を着る場合は、長襦袢の素材を変える。阿波しじら・綿麻・片貝木綿・綿の最高品である海島綿など、涼しい素材に変えます。
特に海島綿は、吸水性が良く柔らかい。家で洗えるのもいいところです。

・ポリの長襦袢は、と肌にベタつき不愉快なものですが、
 東レの出している爽竹は、新素材で、ひんやりしています。


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