初心者のためのお茶会~概要・最低限知っておきたいポイント~

お茶会の種類と概要を知る

今回は初心者のためのお茶会ということで、お茶会の概要、どんな着物を着ていくのか、お茶会の流れ、NGポイント、など初心者の方が一応最初にこれだけ覚えておけばお茶会のイメージができるかな、という最低限のお話をさせていただきます。

お茶会は、大きなものから小さなものまで様々あります。招く側、主催者によって規模や内容まで本当に多様にありますので一概には言い難い部分もあります。 まず、ざっくりと大きく分けてお茶会には、「大寄せの茶会」、「野点」、「茶事」の三種類がありますのでそのお話から。

1.大寄せの茶会

自治体主催で不特定多数を対象に公共の施設で行われる茶会を言います。ほとんどの場合「薄茶」をいただき難しい作法や、服装を気にしなくても茶道に触れることができます。

2.本格的な大寄せの茶会

市民茶会などではなく三百人から五百人を対象に濃茶席、薄茶席、野点席と点心等のお食事と全席を回るのが前提です。特に「秋の大茶会」などは多くの人が参加します。

一般の方も参加は可能ですが三千家などの流派によって、ある程度の知識やマナーが必要となって来ます。

3.野点

季節の移り変わりを楽しむために行われる茶会で俳句や和歌を読まれることもあります。野外に毛氈を敷いて細かな作法もなく楽しみます。

4.茶事

少人数の招待された方のみで開かれる「正式なお茶会」を言います。懐石、炭手前、濃茶、薄茶の茶道のフルコースが振るまわれます。正式なお茶会なので招待された方もきっちりとした作法を身につけ礼装をしていくのがマナーです。

5.初釜

新年お祝いのお茶会のことで1月10日前後に行われます。これには家元が開かれる大きなお茶会から内輪で行われるものまで規模は様々です。初釜は、年に初めて釜を開き最初に行われるお茶会のことを言います。

SPONSORED LINK

この日ばかりは、新年のお茶会ですので訪問着や付け下げなど華やかな色柄の着物で、若い方は振袖などを着て参加します。

 

最低限知っておくと良いお茶会のこと

1.お茶会向きの着物は?小紋や色無地?

お茶会の種類のところでお話ししましたがまずそのお茶会がどのような目的でどのような場所でどのような方が集うのかということが問題です。初めてのお茶会ということで身近なお茶会の「大寄せの茶会」と、「気楽な集まりの茶会」のお話をしています。

・大寄せの茶会の場合、規模にもよりますが、「訪問着・付け下げ・紋付色無地」などがいいのではないでしょうか。

・気楽な集まりの茶会の場合は、あまり堅苦しくない方がいいかもしれませんので、「小紋」でもいいかも分かりません。 やはりこの場合は、主催者の方と親しい方でしたら、茶会の内容や参加者などを聞かれて着物を選ぶことが大切だと思います。

気楽な集まりと言っても訪問着などを着て来られる方が多い場合は、やはりそれに合わす方がよろしいかと思います。そういう場合は「訪問着・付下げ・紋付の色無地」にした方が無難です。

2.お茶会の肝〜心得と流れ〜

お茶には薄茶と濃茶がありますが今回は初めての参加ということで「薄茶」についてお話ししてみたいと思います。

茶道の心構え

参加するにあたって茶道の心構えを知っておくことが一番大切なことです。心構えを知ることでお茶の作法の意味が理解できるようになるからです。

茶道は「一期一会」を大切にしております。「一期一会」とはこの出会い二度と繰り返されることがないであろうと一生に一度の出会い、そういう意味がありますね。お客様を迎える亭主、主催者はその気持ちを大切にして、お客様をもてなします。また茶道具も心を砕いて用意します。

ですから招待された私たちもその誠意に答える心構えが必要なのです。どれだけの時間と手間をかけて亭主(主催者)が準備しているのか、そのことを少しでも知っておくだけで、お茶会に出席する時の意識・行動が変わり作法の必要性も少しずつ理解できてくると思います。

お茶会の流れ

お茶会の流れを把握しておくことが大切ですのでおおまかな流れをお話しします。 亭主が茶室に案内してくれてから入室します。目の前にお菓子が置かれておりますので亭主から「お菓子をどうぞ」と勧められてかお菓子に手を伸ばします。

この時、隣の人に「お先に」と言ってからいただきます。お菓子は、持参した懐紙の上に乗せ抹茶が出される前に食べ切ります お茶が出されたら隣の人に「お先に」と言い、亭主には「お点前頂戴いたします。」と言って頭を下げます。

茶碗を左手に乗せて軽く右手を添えます。 茶碗は出された時に自分の方に正面が向いています。大半は正面に絵柄が付いております。正面がわからない樂茶碗等は、自分の前に出された方が正面と思っていいでしょう。

茶碗の正面を客に向けて出しますが、客は茶碗に化粧などの油分がついて汚れないように配慮し正面を避けるために二度に分けて茶碗を時計回りに回してから飲みます。 お茶は三口半で飲みます。飲み終わったら、親指と人差し指で飲み口を拭き懐の懐紙で指を拭きます。

茶碗は先ほどと反対に回し亭主側に正面がくるように戻して置きます。 以上簡単に流れを説明させていただきました。 初めての場合は分からなくて当然ですの遠慮なく尋ねるといいと思います。まずは楽しむことを考えたらいいのではないでしょうか。

3.髪型やアクセサリーに気をつける

茶会では、お辞儀をする場面が度々ありますのでその度に髪の毛が顔に触れた髪を直しないように、すっきりと「まとめた髪」がいいと思います。

アクセサリーについては、わびさびを心とする茶道ですので、華美なものは避けます。 またかんざしや腰などが落ちてお道具を傷つけることがありますので、使用する場合はしっかりとつけておきます。

4.お茶会の必需品・NGポイント

懐紙・楊枝・末広」まずはこの3点は必要です。なお茶室では洋服の場合の、ストッキングや素足が禁止されておりますので、白い靴下を用意されるといいでしょう。足袋などが道中で汚れる場合がありますので、一足余分に持って行かれるいいでしょう。 なお茶室には荷物は持って入れませんので、荷物をひとまとめにできる風呂敷か袋を用意するといいでしょう。  

ざっとですがお茶会のお話でした。着物、建築から絵画、お花など全ての日本文化が集約されているのがお茶の世界です。お茶をいただいて少しでも和文化に触れていただければと思います。

本日もありがとうございました。ではまた。良い1日をお過ごしください。

本日紹介した内容は以下の動画(音声のみ)「おしゃべり着物教室」をまとめたものです。お時間があるときに聞いてみてくださいね。

SPONSORED LINK

投稿者: 友衿着物教室

友衿着物教室のコンセプトは「かしこく、たのしく、うつくしく」。Youtubeで「おしゃべり着物教室」を始めました。講師は華道、茶道、着物と和に携わる着物生活歴40年のToshieと聞き役は義娘Mika(乳飲み子あり)の嫁舅でお送りしております。現在は初孫の誕生したばかりのためイベントや出張講座はお休みしてます。

SPONSORED LINK