結婚式のお着物について

結婚式のお着物について

結婚式のお着物についてお話ししていきます。
礼装ようの代表的なものに、留袖、訪問着などがあります。

留袖には2種類ありまして、地色が黒色のもの「黒留袖」と、地色が色ものである「色留袖」があります。
まずは、招く方の正装・礼装である黒留袖、色留袖についてお話しいたします。

黒留袖 色留袖

お客様をお招きし、改まった気持ちで迎えるためのお着物として、第一礼装である「黒留袖」があります。格調高く古典的な柄が中心につくられているお着物です。
「桐竹鳳凰」という”桐”と”竹”と”鳳凰”がセットになったおめでたい柄や、「正倉院文様(しょうそういんもんよう)」「松竹梅」などや、「地紙文(じがめもん)」といいまして扇の形の紙に四季の花々が描いてあったり、「花文」という品格ある礼装用の文様など様々あります。

お着物の全体的な柄は、京友禅などの友禅関係が多いのですが、そこに刺繍や金箔などが施されています。裾模様全体に金箔を貼って、そこに柄を描いてあるのが一般的な留袖です。

何枚もつくるものではないので、黒留袖、色留袖は共におめでたい柄にオールシーズン着れるような柄である四季折々の花柄などが入っているのが主流です。黒留袖も色留袖も五つ紋のものになります。

親族のかた、ご両親、近しい方は「黒留袖」をきます。兄弟や親族、近しい方は「色留袖」でしょうか。親族の方でもお若い既婚者の方、黒留を着るには若いかなという30代、40代の方は「色留袖」でよいと思います。

締める帯は袋帯ですね。「花文」や「青海波」「黒地に七宝文様」など入った袋帯を合わせます。色留袖の場合は、主に地色が淡くて、薄紫、薄水色、薄ピンクの地色に柄がついています。ですので、帯も格調高いものがよいでしょう。袋帯は黒地におめでたい柄のものなどが格調高くなってよいと思います。喜び事ですので、袋帯を二重太鼓に締めるのが基本になります。

黒留の場合合わせる袋帯は、金や銀の糸が中心に使われた錦織、唐織などのものが良いと思います。

色留袖について

色留袖についてですが、留袖の次に格調高いものです。訪問着には華やかなものも多く豪華に見えますが、格式でいうと訪問着よりも色留袖の方が上です。

また未婚の方の着れるのが色留袖です。
黒留袖ですと、結婚式のみに着られることが多いのですが、色留袖の場合はおめでたいこと全体に着られるので、特に紋を一つにしておくと式典、叙勲、など格式高い場面で着られます。晴れの日、人生の節目に着られる一番格調高い着物です。もちろんシックな色味ですと、50代60代と着られます。

余談ですが
皇室の方は黒留袖は切れませんので、そういう儀式全てに「色留袖」を着ていらっしゃいますね。

訪問着

色留袖と比較すると訪問着はより”華やかさ”があるといえます。格は訪問着の方が下になりますが、未婚、既婚問わず祝賀会やもちろん結婚式にもお召しいただけます。

帯は、結婚式という改まった場面ですので、二重太鼓にして、「色留袖」「黒留袖」に合わせるような格式高い袋帯を合わせるといいと思います。代表的な古典柄のものを合わせておくと無難かなと思います。

SPONSORED LINK

訪問着に関しましては、裾模様が絵羽仕立てになっています。最初に反物を着物の形に仮りに縫いまして、着物を一枚の絵のように仕上げます。色留や黒留は、衿や袖には柄がなくて裾だけに模様があるのですが、訪問着というのは”衿裾袖全体”に一枚の絵画のような模様を描いてつけていますので非常に優雅で華やかな印象になります。

結婚式の披露宴などに最適ですよ。訪問着でも一つ紋をつけますとより格調高くなります。もっと幅広い場面で活用したいのであれば紋無しでも大丈夫です。なお訪問着に三つ紋、五つ紋をつける方はほとんどいません。もちろん紋無しでも結婚式で着られます。

結婚式 着物 振袖

結婚式で未婚の方ですと振袖がぴったりかと思います。未婚の方の礼服です。

華やかに結婚式を彩るという意味でも、花を添えるという意味でも、お振袖が喜ばれるかと思います。振袖は、袖が1m10cm近くありますので非常に華やかです。振袖も訪問着と同様に着物全体が絵画のように描かれていまして、色使いもお柄も華麗なものです。

昔は五つ紋などつけていましたが、最近は紋をつけているかたはほとんどいらっしゃらないと思います。

生地は縮緬(一越縮緬)、綸子(紋綸子)地模様のある綸子、などが多いですね。友禅染めが多くて、地に金箔や銀箔が貼ってあったり、刺繍がされていたり、絞りがあったり、とすべての技巧が施された立派なものが振袖です。

帯は袋帯で、昔はふくらすずめなんていうのがありましたが、今は着付け師さんが様々な形に工夫して締めてくれますので、華やかさのあるお好きな形で結ぶとよいと思います。

振袖の長襦袢

長襦袢ですが、
他の着物と違いまして振袖は長襦袢が非常に目立ちます。どこが目立ちますかといいますと、お袖の部分なんです。お袖が1mほどありますので、歩くたびに1m近い袖の中の長襦袢の色がよーくと見えてきます。ですので、振袖の表地に合った長襦袢の色を選ぶのが基本になります。

個性的な装いにする場合はよろしいですが、一般的には「表地に合わせた淡い色合い」を合わせます。生地は縮緬が主流です。

振袖の着付け 着姿について

振袖の着付けについてですが、
襟元は詰めてきます。衿の幅は広くだして、衿の刺繍などをしっかり見せます。胸元の肌はあまり出さないよう着ます。衿部分をしっかり見せるということがポイントです。さらに伊達襟をつけますとより華やかになります。

帯の位置は少し高めにします。おはしょりは、普通のお着物ですと「人差し指一本分の幅」といいますが、振袖の場合はもう少し多めにとります。裾線は、床すれすれに決めます。礼装用の草履を履きますので、巻きが3重ほどあるような高さのある草履になりますので、床ギリギリの裾の長さにするのがちょうど良いのです。裾は「裾すぼみ」を意識して着ますと、すっきりとスマートに着られます。

結婚式 着物 レストランウェディング

最近は流行っておりますレストランウェディングですが、レストランにも色々な種類がありますのでこのような場での装いは結構難しいものです。

ご招待いただいた方にしっかりお問い合わせすることが大切です。ガーデンでするのか、または有名なシェフを招いてレストランでする場合もありますし、身近な場所でお友達とやる気軽なウエディングパーティーなんてこともあります。どのような会なのか、どのような方が来るのかを把握した上で装い決めましょう。

肝心なのは、花嫁さんの衣装です。レストランウェディングでも、花嫁さんがきちっと花嫁衣装を着て、和装から洋装にお色直しもしてなんていう形もありますし、ガーデンウェディングなんかも一つのお屋敷を借り切った格調高い場所でやることもあります。

また本当に身近なレストランで、花嫁さんが「私はワンピースよ」なんていう場合もあります。一部の方はこうゆう時は「着物じゃない方がいいんじゃないの」なんていうかたもいらっしゃいますが、お祝い事ですから、日本の式服であるお着物はやはり着ていくのは良いことだとと思います。

どのような場でも、まず一番重要なのは、着ます着物を「会場の格に合わせた着物」にするです。

非常に格調高い場所でする場合は、訪問着などがよろしいかと思いますし、でも紋付だと仰々しくなることもあると思います。
本当に身近なレストランなんかは、気軽な感じの結婚式ですと「小紋以外のもの」がよいかと思います。小紋はやはり”街着”ですので、いくら身近な場面といっても小紋以外のものを選んでください。それだけ気をつければ、あとはご自身のお祝いのお気持ちを表すようなお着物を選ばれらたらよろしいかと思います。

その方の人生の節目にお招きいただくのですから、よくご相談をなさって、それにふさわしいお着物にされるとよいでしょう。紋はつけない、小紋以上がよいと思います。

結婚式 着物 髪型

ショートカットやボブの方は、そのままでいいと思うんです。飾りものがつけれるのであれば、つけてもらってももちろん大丈夫です。ボブの方でもアップにできるのであれば、アップがおすすめです。

お着物の場合、襟足、うなじの美しさを強調するのが特徴の一つですので、そこが一番アップをお勧めする理由です。
またもう一つ、アップスタイルですと着物の衿や長襦袢の半衿を汚さないという点もあります。

アップにした時の髪の毛の流れも大事です。くしの目の流れがきちっとなっていると非常に美しいです。髪の毛が一本また1本と落ちてきて乱れていますと、式服の場合はマイナスな印象です。

美容師さんがよくいいますが、「髪の毛1本も乱れてはいけない」これがと着物姿の綺麗な髪姿です。ロングヘアーの方は乱れにくいのですが、短いかたは無理してアップすると時間がたつと落ちてきやすいので、それは心がけて、嫌かもしれませんが、その日だけはスプレー等でガチっと固めたほうがよいと思います。

襟足、耳の後ろの乱れだけは気を付けましょう。

「髪飾り」これはなくても結構です。綺麗な髪型、色つやのある髪、それ自身が綺麗であればそれだけでも十分です。
ですけれどもお祝儀の場ですので、少しでも華やいだヘアースタイルにしたいのであれば、櫛、和風の櫛をしていただくとよいです。黒留のかたは櫛、お高いですが鼈甲の櫛、パールのついた櫛、、など控えめで上品なものがよいと思います。また螺鈿などをはめこんだものや、ぬりの櫛などでもよいでしょう。色留袖、訪問着でも同じようなものでもよいですね。

古典的な柄のお着物でない場合は、特にお若い方は、可愛い洋装用の髪飾りやちょっと羽がついたのなどでもよいでしょう。ないよりもあったほうが華やぐと感じるときは、このようなものがよいでしょう。

一点気をつけなければならないのは、花嫁さんよりも華々しいものをつけないということです。
控えめでありながら上品で素敵なものを選ぶことを心がけてください。主役はだれかというと、花嫁さんですので。

結婚式 着物 レンタル

着物というのは、日常的にきられることが少なくなってきていて、結婚式にはお着物をきていくなど数えるほどしかないですので、親族の方の黒留袖などあつらえる方もいらっしゃいますが、レンタルの方も最近は非常に多いですね。

私の場合ですが、子供が1ッサイのとき、仲人をすることになりました。遠方だったので、レンタルを利用したことがあります。一回だけですが。結婚なさる方がホテルで用意してくれていたので。小さい子供を連れていくには、やはりレンタルは非常に便利だなと思いました。体一つで行けますので。全部用意されて、着付けもしてくれて、お手入れも自分でしなくて良いというのは非常に便利ですね。

しかし、一点、やはりそういう式服であればこそ、一生の節目のお祝い事であるからこそ、自分好みのものを作っておきたいという思いのかたもいらっしゃると思いますでの、
どちらにされるかはご自分で決められるとよいと思います。

レンタルの良いところは便利で、手間がかからないところです。着物とはひじょうに手間のかかるものです。小物一つなくても着れない、腰紐1本足らなくても着れません。ですが、レンタルの一番の問題は、自分の好きなお柄があるかどうか、好きな着物を選べるかどうかです。

色々な種類がありますが、限られた時間に限られた柄を選ぶのはなかなか難しいことがあります。
色無地や留袖なんかは、何年もかけて自分の好きなものを選びます。レンタルはそんな時間をかけられませんので、そのような部分の違いがあります。

もう一つは、値段です。とくに式服はピンからきりまでありますが、レンタル専門のところで、値段のランクがありますので、もちろんお値段次第でいいものもあります。
一流の百貨店の式服のレンタルは相当します。そのかわり、良いものが揃います。最近はネットなどでもお値段次第で良いものを揃えられますが、直に見て仮に着てみてできるお店を選ぶことが一番です。

着物というのは、サイズは決まっているので、着方次第で融通がききます。この時、ちょっと大変なのは、不慣れな方は、ご自分のサイズがわからないと思います。それが難点かと思います。



SPONSORED LINK
SPONSORED LINK