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着物の柄(文様) 季節のルールについて
「季節を先取りする」
着物を着る時、そのお着物の柄の季節のルールの基本は「季節を先取りする」です。お花が”3分咲きから5分咲き”頃までは良いですが、それ以降はお花に主役を譲りましょう。
それが粋な着方といわれています。お花が真っ盛りの一番綺麗に咲き誇っている瞬間には着ません。お着物の世界では野暮ったい着方と言われています。
地域によって咲く時期が若干変わってきますので、「◯月になったからこのお花柄はダメ・・・」という意識ではなくて、
ご自身の住む地域のお花の咲き具合を見て、蕾なら着てみる、可愛らしく咲いているようなら止めておく、など柔軟に対応してください。このような季節の感覚を養うことができるのがまたお着物の良さだと思いますよ。
春3月4月5月のお柄
冬が終わってさあ春だという時期です。軽やかな印象の色味を着ることで、そのような気分をまといましょう。
3月はお雛様、5月は端午の節句の行事があります。このような時期には、「お人形柄」がよく合いますし、面白く楽しく着れると思います。
代表的な春の柄
3月の柄・・・椿、菜の花、桃、雛人形
3月終わりから4月に入る頃・・・桜
4月・・・花筏(はないかだ)、わらび、柳
5月に入ると・・・藤、菖蒲、端午の節句にちなんだ鯉のぼり
ここに記載した”花筏”なんていうのも情緒あるすてきな模様です。散った桜の花びらが川面に漂う、、、そんな情景が描かれています。
春のお着物の色
4月から5月は、新緑の映える季節です。木々の緑、若葉の色が心地よく目を癒してくれます。
そのような自然のお色味のお着物や、淡い色味のお着物なんかが素敵だと思います。
おすすめの色味
色・・・若草色、淡いオレンジ、水色、藤色のような軽やかで優しい色合い
夏6月7月8月
着物は袷から単衣になります。
色は涼しげな色味のお着物がよいですよ。6月でも最近はとても暑いので白系のものが爽やかにみえて心地よく着られるでしょう。
反対に濃紺や黒など寒色系の紗や絽で真っ白の長襦袢を透けさせると涼しげでクリアな印象になり、真夏によく映えます。
代表的な夏の柄
夏の時期は、波柄、青海波(せいかいは)、雲 などがあり、暑くなってきた時期から秋に入るまで長く着られるお柄です。
6月・・・紫陽花 桐の花
紫陽花の咲く時期はとても長いので便利です。4月の終わりくらいから早いのは花が咲き出しますし、遅いのは8月終わっても咲いていますので、案外いろんなものに紫陽花は選ばれます。
7月・・・季節の風物詩の金魚、うちわ
8月・・・朝顔、秋の七草
朝顔が代表的なお花です。8月の盛り、中頃をすぎますと秋を意識した柄になるので「秋の七草」などを考えていただいたらとよいと思います。
秋9月10月11月
9月・・・お月見うさぎ 桔梗
10月・・・菊、とんぼ、ススキ
菊は長い期間咲くお花です。様々な種類があり、乱菊、秋明菊などお着物の柄には菊一言では終わらないものがたくさんあります。ご自身でその時期に合わせたものを選ぶとよいでしょう。また自然のの風物詩で、9月にはいると赤とんぼが飛び始めます。ススキも秋の情緒があっていいですね。
11月・・・紅葉(もみじ)、枯山水、
11月にはいりますと紅葉(もみじ)が色づきます。同じもみじでも秋は紅葉したもみじ、春の5月頃は新緑のかえでといいます。使い分けて着てください。
あとは枯山水、これは訪問着なんかにも良いお柄です。
秋のお着物の色
色味はだいだい色、黄土色、落ち着いた黄色
秋の深まる10月11月は、すべてのものが紅葉し枯れかけている時期です。落ち着いた色、ほっこりした色、橙色、茶色、黄色などの色、秋の自然の色合いを意識するとよいかと思います。
代表的な秋の柄
柄は紅葉していく草木の模様、柿の木、栗、などがあります。
この時期になると織りの着物を着るようになるので「有職文様」のような重めのあったかい印象の柄もよいです。
冬12月1月2月
この時期は冬ですけれど、意識としては”新年を迎える晴れ晴れし気持ち”を表すとよいでしょう。
1月を中心に華やかな吉祥文様や宝尽しなんてよいですね。また冬景色なんていうのもいいですね。
代表的な冬の柄
南天、水仙、梅
12月・・・松、雪輪、雪輪、クリスマスにちなんだ柄や色を選ぶのも楽しいです。
1月・・・松竹梅などの吉祥文様、宝尽し、福寿草、宝船、やはりおめでたい柄が良い
2月・・・梅、水仙