結婚式のお着物の柄について

結婚式のお着物の柄について

結婚式は、第一礼装でお客様をお迎えするのが基本です。親族は黒留や色留めを着るのが一般的です。
お客様の方もそれにお答えする形で、準礼装や略礼装で出席します。

結婚式に出席する際の代表的な着物には「訪問着」があります。また訪問着を簡素化したものに「付け下げ」があります。絵羽模様になっているのが訪問着であり、絵羽模様の柄が少ない範囲に使われているのが付け下げになります。

ここでは訪問着や付け下げなどのお着物の柄について、結婚式のようなお祝いの場に合わせやすいお柄についてお話していきます。柄の基本は、”おめでたい柄”である、そして、
”拡張高く上品”な柄である、ことです。

古典柄である吉祥文様ですが、吉祥文様それだけというよりその吉祥文様にお花とミックスされて複合させて描かれているのが訪問着には多いです。ですから、有職文様をテーマにするのか、吉祥文様をテーマにするかなど、その文様の中にこんな花を入れたいなとか、こんな鳥が入ってるといいな・・・などご自身で何をテーマにしてお着物を探されると良いと思います。

花柄について

お着物に柄には、花模様のイメージが最初に来るかと思います。花柄の注意点は、一つの花だけしか使われていないお着物ですと”季節が限られてしまう”ということにあります。例えば華やかな「バラ」や「百合」は初夏の時期にしか着られません。一種類のお花だけ使ったお着物ですとこのようにその時期しか着れないので、お高くつきます。ですので、まず一枚、訪問着などを作られようと考えるのであれば、夏以外の春秋冬に着られるお柄を選ぶことが賢明です。

その時の柄の選び方ですが、お花柄でもオールシーズンのお花が描かれたお着物がよいでしょう。訪問着には、一種類のお花柄のみのものよりも、オールシーズン使える花柄が豪華に描かれているものの方が多いですので、選ぶ際に季節限定の花かどうかだけ確認すると良いかと思います。

古典柄について

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古典柄は昔から使われてきた日本の代表的な柄です。中国から伝わってきた柄が日本化されたりという経緯のものなどがります。古典柄といいましても、最近の現代風の幾何学模様やモダンな柄以外は、だいたい古典柄というもの中から大半がアレンジされたり抽象化されて描かれています。

古典柄のお花でよくつかわれているのが、”四君子文様”というのがあります。高潔で気品があるという意味で4つの植物(花)が組み合わさった文様で、中国では吉祥文様として扱われている。春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅、これら四季それぞれに咲く4つの植物が揃って描かれているお柄でして、吉祥文様ですので、一年中着られます。とても便利で吉祥文様なので、礼装用としてとても選びやすいですよ。

有識文様

これも中国から伝わってきたものが日本化された文様です。平安時代、宮中で儀式などを行う学者などの有識者が衣服や調度品などに付けていた文様です。
たとえば”鳳凰”があります。これはとてもおめでたい柄ですね。
”雲鶴文(うんかくもん)” ”立涌文(たてわくもん)”” 菱文(ひしもん)”など非常に格調高いといわれる文様です。結婚式などの訪問着などの文様にとても良いのではないかと思います。

その他の吉祥文様

これも中国から伝わ
また吉祥文様の中の動物がモチーフのものには、
”鳳凰”、”鶴”、”亀”などがあります。

植物の文様では
”牡丹” ”松竹梅” ”霊芝(れいし)”

そのほか
”扇”、”のし”などがあります。

長寿の吉祥をあらわしているのが、鶴と亀。鶴は千年、亀は万年とも言われていますね。姿の美しい鶴だけ単独で描かれているのもあります。鶴と亀が揃った柄は、夫婦円満仲などの象徴になります。松竹梅も中国由来ですが、代表的な吉祥文様ですし、松だけ、竹だけ、梅だけの一種類の描かれたお柄でもよいですし、松と梅など3種類を自由に組み合わせても大丈夫です。

富を象徴したものに七宝文様があります。仏教の経典の中で説かれている7つの宝のことです。このお柄は連鎖をしております模様ということから、無限の子孫繁栄などをあらわし、おめでたいとされています。そして、打出の小槌、振れば願ったものが出てくるので、これも富を表します。

・おしどり これは夫婦円満ということで結婚式によいですね。

・貝桶 バラバラにした貝殻の中から一対の貝を見つける貝合わせというゲームがありその貝を入れた桶を貝桶といいます。同じ貝でないと必ず組合わないことから夫婦円満などを表しそれを入れる豪華な入れ物ですのでこれも吉祥文様です。

・扇の柄 末広がりから将来の展望が広がるという意味をもっています。

・鯉 鯉が試練を越えて龍に変身するという意味から立身出世の意味があります。

・麻の葉文様 健康面での吉祥を表しています。特に夏の着物によく使われている柄です。生命力の強い植物なので、お産など赤ちゃんの衣服などにも麻の葉文様などを使ったりします。

・御所解文様(ごしょどきもんよう) 平安時代、宮中やお公家さんの様子を描いたものです。非常に上品な良い柄ですので、このような柄も結婚式にもよいでしょう。

・蝶柄 さなぎから蝶になって飛び立っていくので、出世などの吉祥の象徴としてよく使われます。家紋などにも使われます。

上記のように無数に文様がありますが、単独ではなくこれらの文様を融合させて一つの絵画のようになって描かれているのが訪問着の柄ですので、楽しみながらご自身の思いに合ったお柄を探されるとよろしいかと思います。

柄には年齢制限はない

お柄だけを考えると年齢制限はありません。お着物の色彩によって年齢が問われます。地色がどうゆう色なのかで着れる年齢変わってくるのです。パステルカラーの可愛いピンクですと20代までしか着れないのが、トーンの抑えたピンクにするだけで30 、40代以降になっても着れます。ですのでお柄は一番好きだと思えるものを選ぶことをおすすめします。

番外編:江戸小紋について

江戸小紋には「三役、五役」というのがあります。三役とは「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「通し(とおし)」の文様をいい、
「縞(万筋)」「大小あられ」の文様をたして五役と言います。
小紋なのですが、一つ紋をつければ結婚式には着れる・・・ということを覚えていただくと便利です。

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