袋帯と名古屋帯の違い

袋帯と名古屋帯の違い

名古屋帯の種類

袋帯と名古屋帯の違いをお伝えする前に、まずは名古屋帯とはどんなものなのかというのをご紹介していきたいと思います。

格は、カジュアルから準礼装まで使えるものもありますが、第一礼装には使えません。織りの名古屋帯で金糸銀糸の入ったものもありますが、準礼装・略礼装までになります。

例えば織りの名古屋帯で、”有職文様や古典文様”等の織りの入った格調高いものがありますが、これは色無地や付け下げ程の格のお着物に合わせることは可能ですが、それ以上の格のお着物、訪問着や留袖には向きません。

名古屋帯=普段着物、カジュアル着物に合わせる帯 が基本です。

もともと大正時代に簡略化して”なるべく軽い帯”そして”結びやすい帯”をとして考えられたのが「名古屋帯」です。そのため、袋帯より短くてよりカジュアル向きな帯として現在に至るまで重宝されるようになりました。

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そのような経緯で登場した名古屋帯ですが、「名古屋帯」と「開き名古屋」の2種類があります。
これらは「仕立ての違い」で分けられます。

一般的にいわれます「名古屋帯」とは、胴周りの部分をもともとはじめから二つに折って仕立ててあるものをいいます。
もう一つ「開き名古屋」と言われますのは、胴回りの部分をおらずに開いたままで、裏をつけて仕立ててあるもののことです。

※よく「袋名古屋」と呼ばれるものがあるのですがこれは本当は「京袋帯」と言います。”長さ”が名古屋帯の長さで、”仕立て”が袋帯になっている帯なんです。お着物を着られるようになられますと、耳にする機会があるとは思いますが、「袋名古屋=京袋帯」と覚えておいてください。

柄つけの違い

一番代表的な名古屋帯のは、「6通の名古屋帯」です。(※6通=帯の6割柄が施されていて、胴回り一周目の隠れる部分は柄がつけられていないもの)お太鼓部分と前部分だけ柄をつけたものになります。これが、一番カジュアルで使いやすい帯だと思います。
基本は6通ですが、袋帯のように全通(端から端まで柄のあるもの)の名古屋も存在します。

塩瀬の名古屋

名古屋で代表的なのは塩瀬の染めの名古屋ですね。これは、夏以外、春秋冬と使えます。夏場は「夏塩瀬」というのがあります。

この名古屋は染めになりますので、ご自分の好きな柄を手描きしていただくことも可能です。お着物が本当に好きな方がよく使う帯という類のものでしょうか。最近はこの染めの塩瀬の名古屋帯が減少してきているので、残念なことだと感じています。カジュアルでオシャレな装いとして本当におすすめの帯なのです。

袋帯と開き名古屋の違い

では本題になります袋帯と名古屋帯の違いについてご説明していきたいと思います。

袋帯といいますのはお祝い事のときにつかう帯ですのでお太鼓を二重に締めます。「二重太鼓」という締め方ですね。
このお太鼓を二重に締める分だけ、名古屋帯よりも長く仕立ててあります。ですから袋帯か名古屋帯の違いは、長さを見れのが一番わかりやすいと思います。

「開き名古屋」という袋帯と同じような仕立てのものがあります。前回ご説明したように名古屋帯でも金糸銀糸を使った本当に豪華な西陣織りの略礼装向きのものなど、案外いろいろな種類があります。これは「袋帯なのかしら」「名古屋かしら」と迷ったら、必ず長さを確認して判断してくださいね。

 名古屋は9尺から9尺5寸  3m60cmほど
 袋帯は1丈8尺 4m30cmほど

仕立ての形から判断する時は、
筒状にして芯を入れあるのが袋帯、
お太鼓以外の部分を半幅に仕立ててあるのが名古屋帯です。

開き名古屋

これは、最初から最後まで袋帯のように半幅におらずに仕立ててあるものをいいます。それに裏がついています。

どうして「開き名古屋」というのがあるのかと言いますと、普通の名古屋帯のように胴部分を半幅に仕立ててしまいますと、最初から前幅が決まっていますのでもっと前の幅を広くして締めたい時にどうにもなりません。
例えば背の高い方ですと、決まった半幅で締めますと貧弱に見えることがあります。背の高い方などは少し胴に巻く幅を広くしますとバランスよく装えるのです。また粋に着たい時には前胴部分の幅を変化させたり、可愛く着たい時には広い幅にして巻くとよいんです。このように自分で前幅を決めたい方向けに「開き名古屋」があります。

洒落袋帯

洒落袋帯は袋帯の一種で、礼装用のおめでたい時に合わせる柄とはちがいモダンな柄、個性的な柄が多く、金糸や銀糸はあまり使いません。
着付けのときは袋帯と同じように長さはありますので二重太鼓にし、お洒落着として主にや小紋、大島紬などに合わせます。
カジュアルな感じの訪問着でしたら使えます。


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