お着物を着る際”立場”や”出席する場”等を意識しながらコーディネートをしていきます。お着物で過ごしている時は自分自身の”マナー”や”仕草”がより気になるようになり、”所作”に対する感覚も敏感になっていきます。お着物を装う回数を重ねていくことで、このような意識が育ち、感性が磨かれてくることが徐々に実感できてきます。そうなってくると、お着物を装うことがぐっと楽しくなっていきます。
ぜひこの機会にお着物を着てみてください。このような体験を増やし、お着物の醍醐味をご自身で見つけていってください。
今回は”帯合わせのし易さ”や”様々なシーンで着られる”、色無地のお着物についてです。フォーマルな装いを必要とされる結婚式や披露宴において、どのような点に注意しながら「色無地のお着物」をコーディネートしていくべきなのかをご紹介していきます。
目次
色無地とは
一色染めの色無地は、汎用性の高いお着物としてとても人気があります。柄や模様のある他のお着物の場合は、季節によって着用できない機会があるものですが、色無地の場合はほぼ一年(夏を除く)を通しての装いが可能になります(※夏は絽の色無地を着ます)。
季節感を漂わせたい、フォーマルな装いをしたい・・・等の希望も「その場に適した帯」を選ぶことで解決できるのです。一枚お持ちになっていいただくと重宝するお着物ですので、お着物生活を始めたい方にもおすすめです。
一つ紋の色無地は、様々な場面で装うことができます。
「友人の結婚式」から「子供の入園式や入学式、卒業式での母親の装い」「ちょっとしたパーティー」等、様々な場面で重宝します。「お茶会」においては合わせやすいお着物の一つです。
仰々しい装いでなく、結婚式のような主役を引き立たせる装いが必要とされる場面での”格”を考えてお着物を選ぶ時には、準礼装として扱われる「色無地の一つ紋」が最適な装いになります。
色無地の格
色無地は「紋の数」によって格が変わることが特徴です。
五つ紋・・・留袖に次ぐ最上位の格
三つ紋・・・準礼装として、訪問着と同等以上の格
一つ紋・・・準礼装として、《三つ紋》ほどの格は無いもののの、汎用性の高い格
無紋 ・・・小紋と同等の格。おしゃれ着として。
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友人や同僚の立場として結婚式に出席する際の”格”は「準礼装」を
親戚の立場として出席なさる場合の格は「準礼装以上のもの」が適しています。
色無地と小物類の選び方【場面:結婚式や披露宴】
友人の結婚式・披露宴に出席する際に「色無地」を着ていきたいと考えている方は、以下の点をチェックし装いの参考にしてください。
※主に友人や同僚の立場で出席する際においての、より適した選び方やコーディネート、注意点をお伝えしていきます。
一、色無地の格
一つ紋以上の色無地を選んでください。
友人や同僚の結婚式であれば「一つ紋」が最も適していると言えます。
一般的に三つ紋は訪問着と同等以上の格と見なされ「親族の結婚式」での適した装いになります。
一、紋
紋は「染め抜き日向紋」が格上とされ、結婚式には最適な紋として用いられています。
その他に「陰紋」や、略式の「縫い紋」がありますが、どちらでも失礼にはならないことが多いようです。
一、色無地の色
色無地は一色染めのお着物です。弔事の印象を抱かせるような色である”灰色”や”明るさのない青色・紺色”・・・等はなるべく避けたいものです。
もしこのような色味のものをお持ちで、慶事に出席したい場合は、帯や小物類を”鮮やかな色””暖かい色”のもので且つ上品で格式のあるものを選びバランスを見極めていきます。全身の装いが慶事の印象に変化していることがとても大切になります。
一、帯
「袋帯」を合わせます。”金糸””銀糸”のあしらわれた礼装用の袋帯が最適です。
二重太鼓に結ぶのが基本となります。(これは「喜びが重なるという意味」からきています。)
色無地のお着物には模様があしらわれていないので、より華やかさを演出できるように袋帯は格調高い華麗なものを合わせましょう。
一、長襦袢
白色のものが基本となります。うっすらとほのかなピンク色の長襦袢でも良いでしょう。
一、半衿や伊達衿
半衿は塩瀬の白が基本です。
胸元があっさりし過ぎた印象の場合は、金色や銀色の刺繍入りの半衿や、優しい色合いの刺繍半衿など着物や小物の色に合わせたコーディネートをしましょう。
色無地の着物の場合、披露宴などで椅子に座ると顔映りが地味になる事もあるので、そんな時は「伊達衿」を半衿に重ねるとよいと思います。金色や銀色の伊達衿が一枚あると、改まった場での装いに重宝しますの。
※夏場の単衣のお着物の時期の半衿は「絽」「絽縮緬」などを使います。
一、帯締め、帯揚げ
礼装用のものを選びます。
帯を引き立てながら華やかに添える帯揚げが適しています。
絞りや縮緬の素材で、淡い色味のものが上品な装いになり好まれます。
一、草履、バッグ
草履は踵がより高いものの方がフォーマル用です。
素材は「エナメル製のもの」や「唐織や佐賀錦のような布製のもの」が基本になります。
格は、エナメル製が準礼装・略礼装として、
唐織や佐賀錦は準礼装以上のものとされています。
バッグは、草履に合わせて同じ素材のものが最適です。
一、祝儀扇
結婚式に色無地着物で出席する際には黒骨の漆塗りに金銀地紙の祝儀扇(末広)を、金地を外側に向けて帯と帯揚げの間に挿します。
暑いからといって扇を仰ぐことは絶対にしてはならないことですので注意しましょう。
あくまで、祝儀の席で末広りに幸せが広がっていくという意味が込められた装飾品として挿します。
まとめ
1、お着物の格を考える
→友人や同僚として色無地で結婚式に出席する際は、一つ紋が最適。
2、袋帯でバランスを考える
→あっさりし過ぎた印象を避けるため、格調高い袋帯を選ぶ。
3、場に合う装い
→結婚式にふさわしい華やかさや主役を引き立てる印象のコーディネートでまとめる。
ところで結婚式用の着物はどうしてますか?
大事な結婚式の着物選び。けれど、じっくり選んでいる暇もないなーという方におすすめなのが宅配レンタルです。店舗に行かなくてもしっかりと着物が選べるので時間がない方にもおすすめです。ぜひためしてみてくださいね。