留袖について(結婚式編)

結婚式に親族として参列する

親族として結婚式に参列する場合の留袖の違いやルールについてお話ししていきます。
色留袖や黒留袖は母親のみの装いですか?また親族が訪問着など他の着物を着てもよいのでしょうか?などの疑問にお答えさせていただきます。

留袖は着物の中で上位の格にあたります。

結婚式にお客様を招く側である親族は、いらっしゃったお客様に失礼のないように
「第一礼装の装いでお迎えする」という気持ち(マナー)から第一礼装である留袖を着るということを踏まえておきましょう。

黒留袖

留袖には「黒留袖」と「色留袖」があります。黒留袖はお着物の中で一番最高の格で第一礼装にあたります。五つ紋がついています。

黒留袖は、新郎新婦の母親の装いとしてのイメージが強いかもしれませんが、母親以外ですと、祖母や仲人さん、それから既婚者のご姉妹の方も着ていけるお着物になります。

色留袖

色留袖は黒留袖に次ぐ格の第一礼装になります。紋は一つ紋から5つ紋までどの数でも良いです。

色留袖は、既婚者の姉妹(義理の姉妹)の方、また年齢が40代くらいまでの方にも着られますお着物です。お年をめした方で留袖を考えているのであれば、親族として出席する場合は黒留袖の方がよろしいかと思います。

未婚の姉妹の方が色留袖でを着られても問題ありませんが、未婚の若い方でしたら振袖でもよいです。

訪問着

また訪問着については、親族の方ですと義理の姉妹の方などがちょうどよいと思います。また年齢の若い親族の方でもよいですよ。

親族

親戚、いとこやめいの方は、友人の方々よりも少々格の高い着物がよいでしょう。お迎えする側なので一応そういうものを着られたらいいと思います。たとえば「色留袖」「一つ紋の入った訪問着」などがよいでしょう。そんなに近しい関係でなければ「一つ紋の付け下げ」でも大丈夫です。

未婚の姉妹

未婚の姉妹の方は、お振袖で華やかに参加されればよろしいと思います。訪問着でしたら、一つ紋がついているとより良いでしょう。

留袖に合わせる帯、その他の小物

黒留や色留に合わせる帯は、金糸入りの格の高い錦織や唐織りなどのものを。そしてお喜びですので、必ず二重太鼓に締めます。
また、黒留袖も色留袖も帯締めや帯揚げ、半衿も「白」にするのが決まりです。

※一つ紋つき訪問着の場合は、金糸の入った袋帯を締め、帯締めは金糸の使われた幅広のものを選びます。

帯締め
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帯締め・・・金糸のはいったがの広い帯締めを合わせます。

末広・扇子

末広・扇子・・・黒骨の祝儀用のものをさします。振袖には挿さなくても良いです。

留袖の柄について

留袖を選ぶ際の柄はどんなものがよいか?また控えた方が良い柄があるのか?ということについてお話しします。

お柄はおめでたい席ですので、「吉祥文様や古典柄」にされると間違いないと思います。しかし、絶対にこれらの柄でなくてはならないというわけではありません。
だいたいこのようなお柄が多いのですけれども、やはり御本人様の好みの柄にされると良いと思います。

ダメな柄

あまりにも奇抜な柄や、お祝いの場にふさわしくないような柄は避けた方がよいですが、あとは着る方の好みになると思います。
しかし、一般的に出ている留袖にそのような奇抜な柄はほとんどないと思います。ご自分で特注で依頼して作る以外は、基本的にはおめでたい柄が描かれています。

あとはやはりその方の感性でお柄を選ばれるのがよいと思います。

また柄ではなく、生地の色味には気をつけてください。真っ赤や真っ黄色など、あまりに派手な色味は結婚式にはむきません。上品なお柄に、生地の色は、明るい感じの色味(パステルカラー、淡い色味)のものがよいでしょう。

結婚式で留袖に合わせる髪飾り

留袖は上品はお着物ですので、やはり品のあるものを合わせましょう。最近一番よく出ている「パールをあしらった櫛」や「鼈甲の櫛」などはよいでしょう。

未婚の方でお振袖を着る場合は、成人式につけるような華やかな派手なものでなくて、少し控えめな上品な髪飾りのほうがよろしいかと思います。

お若いかたは、落ち着きすぎることがありますので「パールの櫛」や「簪」にこだわる必要はないですが、洋装につけるような髪飾りでも上品なものを選んでください。

結婚式に留袖で友人として出席する

友人として出席するが、留袖でもよいのかということについて。

色留袖でしたら、友人として参加される場合は問題なく着ることができます。非常に近しい友人関係であるといった場合に色留袖を着るのことはおすすめします。(もちろん、訪問着などでも大丈夫ですが。)

黒留袖に関しては着てはだめというよりも、、親族以上に近しい間柄、親子以上の付き合いの方の場合でしたらダメとはいえません。
しかし、結婚式場で黒留袖をきていますと、参加される方に親族に間違わられることがありますので、母親や親族仲人(媒酌人)以外の方が着るのはできれば控えた方がよいでしょう。

留袖の着付けについて注意点

留袖の着付けで気をつけることについて

留袖は、普通の着物と違い「比翼仕立て」というお仕立てになっています。着物の下にもう一枚白いお着物を着ているかのように見える仕立てになります。

留袖の半衿には、比翼があるので、普通の襟より余分に幅があります。ですので比翼こみで半衿の幅を整えましょう。あまりに幅をとりすぎると間延びした印象になります。だからといって細めの幅にする必要はありませんが、ゆったりと上品な印象になる幅にすることが大切です。

また比翼は伊達襟と違いまして、生地に厚みがあり少しふっくらしておりますので、シワにならないようピンと張って着付けることもまた大切になります。

黒留は第一礼装(フォーマル)な装いですので、上品になおかつ華やかで控えめという非常に難しいところがありますけれども
着方は比翼がある分ゆったりとした形になりますので、着付ける時は裾部分が少しすぼまった着方を強調するとよいと思います。

帯は黒留袖の場合、だいたい親族やお母様ですのでだいたい50代くらいの方が大半かと思いますが、
帯の位置をあまり上すぎないようにしましょう。上に締めるほど若く、下に締めるほど年配向けになります。

帯枕を使い、きっちり帯山を出すと非常にきりっとお太鼓が見えて素敵です。

帯揚げ、帯締め・・・留袖の小物はすべて「白」です。ですから、黒で白は寂しいと感じても、淡いピンクや淡い色味を使いたくなりますが、そうゆう色を使ってはなりません。最高の格である第一礼装ですから、いくらお若いお母様であっても、淡い色味を使ってしまうと格が下がってしまいます。何度もお伝えしますが、留袖には全て白の小物を合わせると覚えておきましょう。

帯揚げは白で一番格調高いのは、絞り、または綸子などがあります。これに金糸銀糸が入っているのは問題ありません。
帯締めも白で、金糸銀糸の入った華やかなもので、細いものよりも太めのものを使います。

丈は、少し長めにきます。草履にかかる程の裾丈にします。

末広・・・黒骨の祝儀用のものを、黒骨に金色で柄が入っていたりするものを使います。振袖についてはつけなくてもかまいません。品の良いものを使いましょう。

留袖に合わせる帯、長襦袢、小物類

・草履、バッグ 
・アクセサリー
・末広は絶対必要か?ないと失礼?

帯は唐織りや錦織りを

留袖ですので、訪問着や付け下げではありませんので、「小物は全て白」と覚えておいてください。長襦袢も白色。
草履もバッグも共に「布製のもの」でできれば揃いのものを、唐織りなど織りの白に金糸や銀糸の入った豪華なものを揃えます。

黒留や色留めというのは、一般にいう着物と違って第一礼装です。男性でいうモーニングです。
訪問着などの着方のイメージと違うということ覚えておきましょう。

末広・・・これは第一礼装ですので絶対必要です。失礼という問題ではなく、ご挨拶する時には必要ですので留袖には必ずさしましょう。

エナメル製は?

草履やバッグで布製がなくてエナメルのものしかない・・・その場合は、エナメルでしたら金色や銀色の草履をはいてください。さきほどもうしあげましたように、留袖は最高位の礼服ですので、布製のものがなければ、エナメルでも金銀のものをはきましょう。
草履の高さ(巻き)は、3巻以上のものをえらぶとよいです。普段の草履より1.2~1.5センチくらい高いものを履きます。草履は台が低くなればなるほどカジュアル用として作られています。

アクセサリー

アクセサリー・・・イヤリングなどはもちろんダメです。時計もない方がよいです。どうしてもアクセサリーをつけたいのであればパールの帯留めくらいならよいです。それも小さなパールでしたらやめておきましょう。小さいパールでもたくさん付いているような豪華な品物でしたらよいと思います。



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