ふくさを何故使うのか
若い方で使う頻度が高いのは結婚のお祝いではないでしょうか。
結婚のお祝い金をお渡しする方法は2つあります。
一つは親族のかた。兄弟や親戚の方に事前に結婚の知らせを聞いた場合、式場でというよりも、ご自宅の方に伺ってお祝い金を持参する。
この場合は”かけ袱紗”とといます。
”きって盆”に祝儀袋をおいて、その上にかけ袱紗をかけます。このかけ袱紗といいますのは、最近は見なくなりましたが、昔は結納なんかの時に、品物などをお渡しする時にかけ袱紗をかけてお渡ししておりました。
もう一点は、友人の結婚式などの式場で場合が一番多いと思います。
この袱紗の役割は、バッグなどに祝儀袋を直接いれておいた時の汚れ防止や水引が斜めにゆがんだりしないように、それを袱紗に包んで、受付でバッグから出して渡すということです。
もちろん、袱紗を使わずにバッグから直接出してお渡しすることもできます。必ず袱紗を使わなければいけないということではありません。
また袱紗の代わりにハンカチを包んでいったという話を聞いたこともあります。これでも大丈夫です。
どちらにしても、お祝儀袋を大切に扱い、汚さないように、というのが一つの重要な気持ちなんです。
もう一つの意味として、”相手の方を大切に思う、、、”そういう気持ちを表したものです。大事な結婚式のお祝いを、大切に心からあなたのことを思っていますよという気持ちを袱紗を使うことで表しているのです。
この2点が、袱紗を使用する際の重要な要素になります。
お茶をしていらっしゃる方は常時袱紗をもっています。ちょっと時は違いますが、これは”だし袱紗”といいますが、お稽古でふくささばきをして、なつめをふいて、しゃしゃくをふいて、おかまをとって、、、これは全部袱紗を使います。
袱紗があってのことがらです。
そして、おちゃがわいたあと、大切なお茶碗をこぶくさをひいて大切にお出しする。もっと大事なことは、茶杓などを拝見する場合、こぶくさの上に茶杓をおいて拝見して、いただく。というふうに、本乙にお道具を大切にする心とあなたさまのことを本当に大切に思っています・・・ということを伝えたい。
茶道と結婚式は違いますが、袱紗の持つ意味は同じだと思います。
ですから、できればこのような場では袱紗を使っていただくとよいのではと思います。
祝儀袋の選び方
次に祝儀袋の選び方をお伝えしていきます。
お祝いのお金を入れる袋になりますが、特に結婚式の祝儀袋はあわび結び(あわじ結びとも言います。)という水引がかかったものを選びます。右上にのしがついていて、
あわび結びは中央に輪が二つ重なっています。この結びはほどきにくく、水引の上をひっぱればひっぱるほど結びが固くなってきます。
結婚が末長く、生涯続きますようにという意味が含まれ、二度とこのような同じような結婚式がないようにという、そう意味をこめた水引がついており。
こういう水引と、「結び切り」という水引があります。
また「蝶結び」という水引もあります。これは、結婚式以外の何かおめでたいことがあった時に使用します。たとえば、出産祝い、七五三、お宮参り、入学式、パーティ−など、何度あっても嬉しいという喜びごとの祝儀袋になります。
また高齢者の方の長寿祝いなんかにも使っていただけます。地元の神社の祈祷などにもこのうような蝶結びの水引や
病気が治ったときは、あわび結びか二度と病気になりませんようにということで、結びきりが良いでしょう。
これを間違えると大変なことになります。
私の知り合いの方で、姑さんにお孫さんが生まれたので祝儀袋を言づけられた。そのとき祝儀袋をみた姑さんが「ムッと」した顔をしたそうです。その彼女もその表情に気がついたけれど、その時は何に怒っているのかわからなかった。
何年かあとにわかったことですが、その方はあわび結びの祝儀袋を使ったそう。その意味をしっていた姑さんは、それを使ったことが嫌だったそうで、それ以来親族の方は彼女につらくあたっていたそうです。
当時彼女は不思議だったのが、10年近くたってやっとわかったそうで、
孫さんが生まれて喜んでいるのに、「二度とうまれませんように」そういう意味を込められたと勘違いされたら、残念ですよね。
若いからわからないこともありますが、そういうこともありますので、
蝶結びにしておけは何も問題にならず喜んでいただけたでしょう。
3つの結びだけはしっかり覚えておきましょう。
また最近では、様々な変わった水切りの祝儀袋があります。結びをよーく見てみると、あわび結びになっていることがあったりと、
これは蝶結びの変化系なのか、あわび結びの変化系なのか、結びきりか・・・などまずみきわめてからお買い求めになってください。
店員さんに聞いてもよいですが、専門ではないかたはなかなかわからないこともありますので、事前に調べていただいておさえておいてくださいよろしいのではないかと思います。
また金額によって祝儀袋の形が変わります。だいたい3ランクにわけられていて 1万から3万円 3万から10万円 10万以上 その中からわけて祝儀袋を選んでください。袋が立派なのに中身が少ないとえっということになりますので。
必ずお札はピン札をいれましょう。
ふくさの渡し方 包み方
祝儀袋にお金を入れて、いよいよ袱紗に包みます。
この袱紗というのは、相手への礼儀をつくすために必要なものであり、言葉には表せない気持ちを包んで送るという意味もありますのでできれば袱紗に包んでお渡ししてください。
親しい方でそんなことしなくてもという場合もあるとは思いますが、
上司や目上の方がたくさん参列される結婚式の時は、袱紗に包んで行った方が、ただバッグやポケットから直接だされるよりは、良いんではないかと思います。
いろいろありますが、ポリエステルで台が付いている既成の紫色のものがあります。これがお祝いにもお悔やみにも両方使えます。台には真っ赤な朱色が塗られていて、反対側にはグレーなどのおくわみの色が塗られていますので、お祝いの時は赤色を出して、その上にお祝儀袋をおいてたたんでいってください。
またボックス型、長財布のようなものもあります。これは簡単でよいですけれども正式には絹素材の小さい風呂敷型のものが本来の袱紗ですので、まずこのふくさの使い方をマスターしていただきたいと思います。
まずひし形になるよう机に置いていただき、中央から少し左に祝儀袋を表を上にして置いてください。まず左からたたむ、上からたたみ、下からたたみ、右からたたみます。これが正式な袱紗のたたみ方になります。
最後が右が上になるということを覚えておいていただければと思います。
また開く時も右から開き、下、上、左と開いていただくだけです。この流れを少し練習していただくと、当日スムーズな袱紗の渡し方ができるはずです。
不祝儀、お葬式の場合は反対で左が上になります。
では式場に着いて、受付の方に祝儀袋を渡すし方をお話させていただきます。
「本日はおめでとうございます」と一礼して
そのあと
お名前と「友人です」など間柄を言い、自分の名前をいう。
そこに芳名帳があればそこに、フルネームで名前を書き、住所も書きます。
必ずフルネームで書きましょう。書き終わって初めてそこでバッグから袱紗に包んだ祝儀袋を出します。
出した時に、その袱紗を左手におきます。右から開いて上に下に左に開きます。そうしたら祝儀袋をまず机の上におきます。その時に左手にもっている袱紗をたたみます。両手で祝儀袋を時計回りに相手様(受付の方)の方に向け、両手でもってお渡しします。その時にまた「おめでとうございます。心ばかりのお祝いでございます」と伝えます。
ですので、二度「おめでとうございます」と伝えることになりますね。
また板付きの袱紗の場合ですが、右から開いて上に下に左に開いたら、袱紗と祝儀袋を一緒に渡しても良いでしょう。台がついていているので、すっきりとお渡しすることができるので、そのような形でもよいでしょう。
長財布のような袱紗の場合も、このように袱紗の上に置いてお渡ししていただいても良いと思います。
袱紗の種類
袱紗の種類、色、素材、お柄等についてお話していきます。
袱紗にも種類がありますが、小風呂敷型の袱紗、これが正式な袱紗です。
それから、お盆のような台が付いたものもあります。ポリエステルで2,三千円から販売されています。慶弔両方で使える便利なものです。慶弔両用ですので、色は紫一色です。
それから、長財布のような形をしたものは、すっぽりとそのまま金封をはさめます。金封袱紗、はさみ袱紗ともいいます。なおいっそう便利な袱紗です。
お求めになる際に、色合いはとても大切です。
お祝い事に使う際は、赤い色、明るい色、男性ならば明るい青色、など良いと思います。
渡しもお祝い返しにいただいたことあるのですが、ちりめんのきれいなブルーで中に名前が染め抜かれたものがありました。こうゆう袱紗は非常に重宝しました。
男性が持ってもよいですしもちろん女性でも。
もう一つ持っていた袱紗は、鮫小紋の袱紗もありました。赤いのと紫のとセットで2枚もらいました。慶弔で使えますね。
素材はぴんからきりまでありますが、一番いいのはちりめんでしょうか。裏地のついていなものが使い易いと思います。
裏付きのものもあります。それは絹からポリエステルまで様々です。だいたい無地が多いのですが、江戸小紋やお好きな柄をいれていらっしゃるかたもおります。
袱紗でも、結婚式だけではないので、菊などいれるのもよいですし、刺繍を入れたり、お名前を染め抜いたりするのもよいでしょう。男性でしたら、ほとんどの場合名字がかわることもないですから、これも洒落ています。
また家紋を刺繍してもらうこともできますので、専門店にいって聞いてみるのもよいかと思います。
染め抜きや刺繍はすぐには入れてもらえませんので急ぎの場合は難しいでしょう。もしそのような袱紗をお求めになられたい方は事前にお誂えになられればよろしいのではと思います。