入園式を着物で出席する時の装いについてお伝えしていこうと思います。

桜の花の咲く頃、
お子様の初めての社会参加の日である入園式。
きちっとしたお着物の装いで出席したいという保護者様が多いことでしょう。

入園式の着物の基本の装い

お子様が主役の式ですので、お着物の格は「礼装」になります。
その際のお着物は「訪問着」が基本です。紋付訪問着というのも昔はありましたが今はあまり一般的ではありません。

次に「付け下げ訪問着」が選びやすいと思います。もう一つは「色無地の紋付のお着物」がおすすめです。”紋の数は一つ”が重宝します。

はっきりと紋を見せたい場合は白色の紋である「日陰紋」をつけますが、
より多様な場面に使いたい場合は「縫い紋」や共色を使用した”縫い紋”が良いでしょう。
※共色・・・着物と同じような色のこと

もっとも気をつけるべきことは、帯の選択です。帯がそのお着物の品格を決めます。
祝い事ですので、「唐織り」「西陣織」、「綴れ織り」等の格調高い帯が最適です。

「綴れ織りの帯」はちょっとシックで上品すぎる帯が多いので、もうすこし晴れやかな色柄のある唐織りや西陣織の帯で金糸銀糸の入ったものがよいでしょう。色無地のお着物に合わせる時は、お着物自体がより華やかな色柄の帯を選ぶことが大切です。

帯の色柄は「有職文様(※古典的な柄のこと・・・七宝、花菱、亀甲紋など)」や「松竹梅」など喜びの気持ちを表す柄がよいでしょう。

特に色無地の場合は、帯でお祝いの気持ちを表現するしかありませんので、金銀色の華やかな帯にしましょう。

もし色無地を誂える際には、可愛いピンク色や赤やオレンジのような派手な色味のものではなくて、
40、50歳になっても着られるような「淡い色味のもの」などを選ぶことをおすすめします。

また色無地は”地紋が浮き上がっている(地紋がしっかり見える)”ものが良いです。

入園式 着物:バッグは?

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では次に着物の装いに合わせるバッグについてお伝えしていきます。
訪問着のような正装に合わせる場合は、「織りの草履とバッグのセット」を。
付け下げ訪問着や色無地もこのような織り草履とバッグのセットのものがよいでしょう。

成人式で一式揃えている方は、その時に揃えた草履とバッグでよいと思います。

お着物の格と同じバッグや草履を合わせることが一番大切になります。

またその他でしたら、ビーズのバッグや和装用の小さなバッグでもよいでしょう。

洋装用のバッグでしたら、相当カジュアルなバッグ(例えばジーンズ素材のようなものはNG)でなければ合わせられます。
通勤の際に使うようなバッグでも、シンプルで上品なものであればよいですが、新入社員が使うような四角いバッグはお着物に不釣り合いです。

ドレスに合わせるパーティー用、フォーマル用のバッグであれば問題なく合わせられます。お着物の格に合わせることをポイントにして選んでいただければと思います。

素材はデザインにもよりますが、エナメル素材でも大丈夫です。またベルベッドでもよいでしょう。デザインがシンプルなものにしましょう。

洋装用のバッグで黒色のものを使っても良いと思います。お着物で春らしさ装い、黒のバッグで全体の雰囲気を締めるのもよいでしょう。

入園式を着物:コートについて

お着物に合わせるコートについて。

代表的なコートには「羽織」「道中着」「道行コート」「和装コート」があります。
私は羽織よりも「大判のショール」がおすすめです。暖かい日でしたらレースのコートでも良いでしょう。

着物を着る時のコートの意味は二つあります。
一つは、”塵避け”として。訪問着など高価のお着物を少しでも汚さないようにするためのもの。
もう一つは、本来の防寒の役割があります。

和装コートに関してですが、誂える場合もありますが、呉服屋さんなどで既製品のものがあり非常に便利です。
ベルベッドなど様々な素材のものが売られていますが、以前に着られたような素材のもの、最近では変わった素材のものもあります、
既製品を買う際の注意点は、必ず、お着物を着用していくことです。自分のお着物姿に既製品のコートがしっかりあっているかどうか確認することが大切です。
もう一点は、既製品の場合は体のサイズが合わない場合があるので、その場合は少しお直しをすることが大切です。

コートは帯姿がきれいに映るのが、美しく着るポイントです。ですので、コートのサイズはぴったり目というより、すこしゆったりとしたサイズを着用すると美しく装えるでしょう。

したが絵羽模様になったような豪華なコートは、非常に豪華な訪問着を着る際に合わせるとよいでしょう。

一枚目の和装用のコートや道行を選ぶ際には、ぼかし柄やかすみ柄、上品な飛び柄のようなものを選ぶとどんなお着物にも合わせやすく重宝することでしょう。

小紋の羽織や道行に関しては、格は”お洒落着”ですので礼装のような訪問着や紋付色無地の上には着ません。ルール違反になりますので注意しましょう。

入園式 着物:小紋でもよいか?

「小紋で入園式に参加したい」というご要望がありましたので、ご説明させていただきます。

小紋にも種類があり、着て良いもの、着てはいけないものがあります。
着て良い小紋は、「江戸小紋の三役、五役に紋がついたもの」です。
後ろに紋をつけると”略礼装”になり、このようなお祝いに着てよい格になります。

三役、五役以外の江戸小紋はお洒落着になり、
普通の小紋(着物全体に柄のついたもの)はお洒落着〜普段着の格ですので、このような場にはふさわしくありません。

※江戸小紋の三役・五役とは、
三役を”鮫小紋” ”行儀” ”通し”
“大小あられ” ”縞模様”の二つを合わせて五役と言います。

もう一つ、小紋で着て良いものは「付け下げ小紋」です。
これは最近でてきているお着物でして、一般的な小紋のように柄が全て同じものではなく、柄が全て上を向いていて、絵画のように描かれています。

まとめますと、一般に言われている”小紋(総柄のもの)”はこのような場では着ません。
紋付の江戸小紋(三役・五役)でしたら、色無地の装いのように着て良いお着物になります。その際には帯で格をあげていきましょう。色無地に帯を合わせる時のように、織りの袋帯で「西陣織」「唐織り」「佐賀錦」などのものを合わせてください。

入園式の着物:追記

入園式はお子様主体の行事ですので、お母様の装いは控えめがよいのですが、参加される方々の装いに合わせることが一番大切ですので、特に私立の幼稚園に入られる際には、そのあたりの状況をしっかり調べておきましょう。
その場に浮かない姿でいる・・・これがポイントになるでしょう。
もちろん、そのようなことを気になさならい方は、堂々と着られるとよいでしょう。

もう一つ、必ず抑えていただきたいのは、半衿と足袋です。全てのフォーマルな場には、半衿は塩瀬の白、足袋も白色。覚えておきましょう。

足元について、草履の脱ぎ方についてですが、
玄関に入ったらすぐ、コート(道行、道中着)は脱ぎます。※羽織の方はそのまま室内に入って結構です。
草履は進行方向のまま脱ぎます。そして、草履を帰る時の向きに揃える際に腰をかがめますが、帰る方向のまっすぐを向いて腰を曲げるのではなく少し斜めに向きながら腰をかがめるのが正しい方法です。これは、お尻を会場に向けない配慮からです。

また、このような場ではふろしきを一つ持っておくと便利です。もし草履を置いておけない場合などはビニールにいれて風呂敷で包んで運ぶべますし、荷物が増えたときにはふろしきで包めますので、面積もとりませんので持参しておきましょう。

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友衿着物教室
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友衿着物教室のコンセプトは「かしこく、たのしく、うつくしく」。Youtubeで「おしゃべり着物教室」を始めました。講師は華道、茶道、着物と和に携わる着物生活歴40年のToshieと聞き役は義娘Mika(乳飲み子あり)の嫁舅でお送りしております。現在は初孫の誕生したばかりのためイベントや出張講座はお休みしてます。

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