目次
着物 初心者
私が自分で着始めたのは、結婚してからになります。
独身時代はほぼ母にお着物を着せてもらっていました。
当時は、着姿に対して帯が高い低いなど、帯の形はあーして、こーして、のような要望を言ってるばかりで、自分で着物を覚えるという意識はありませんでした。
そうゆう状態でしたので、母の元から離れて初めて自分で着付けした時それはとても大変な姿になりました。帯が横綱の回しのようになり、それがとてもショックでそれ以来長く着物を着ませんでした。
独身時代、数回着付け教室に行ったのですが、その時は覚える気もなかったので何にも身になりませんでしたね。
ですけれどやっぱり着物を着る機会がありましたので、それから自分自身で少しづつ勉強してきました。
もしこれからお着物を着始めたいと思っている方で、身近にお着物のことを教えていただけるお母様やお婆さまなどいらっしゃったら、ぜひ質問して聞いてみてください。
お着物について全く触れ合う経験がなかった方と、お母さまなどから見聞きして教えてもらってきた方との習得の仕方は全く違ってきますよ。
着物 初心者 季節のルール
日本の四季というのは、春夏秋冬といわれますように3ヶ月毎に気温が変わっていきます。ある意味では慌ただしいのですが、その変化する四季を楽しみながら装っていくというのが着物の良いところなんですね。
着物の長い歴史の中で、”四季を楽しむための装い”が着物を着る上で守っていきたいルールとして確立されてきました。
それをまず知っておけばお役に立つと思いますので、お話していきますね。
着物は一枚の生地からできていまして、この生地のことを”反物”といいます。この反物に裏地をつけたものを”袷仕立て”といい、裏地なしで反物だけで仕立てたものを”単衣仕立て”といいます。
季節の変わり目の春から夏にかける6月の1ヶ月と、夏から秋に変わる9月の1ヶ月に着るお着物を、このたった2ヶ月だけに着れるお着物のことを単衣仕立てといいます。
真夏の7月8月の一番暑い時に着るお着物も”単衣仕立て”なんですけれども、特に薄い透け感のある反物で仕立てるので、「薄物(うすもの)」「夏着物」といいます。
このように、「袷仕立て」「単衣仕立て」といように
お着物でも仕立てから種類、呼び名が違ってきます。
素材
では次にどんな「素材の反物」を選ぶかというお話をしていきます。
「袷仕立て(裏地のつくもの)」には、洋服でもありますように、冬用夏用など、表の素材によって四季おりおり着ますお着物の内容が変わってきます。
まずは冬の袷の素材について・・・
10月の寒くなる時期から11月12月1月2月頃ですね、この袷にはちょっと厚みがあって温かくぽってりした”縮緬”なんかは、冬の袷にぴったりです。
次に”紬”。
紬には全国各地に色々な種類の紬の反物が出ています。冬用に選ぶ場合は、あったかい厚みのあるものを選ぶとよいと思います。
特に12月は慌ただしい時期ですので紬の着物なんかがよいですね。
また1月のお正月や新年のパーティーなど華やかな催しのある時には”縮緬”のお着物で金糸銀糸が織り込まれたりあしらわれたものが良いでしょう。
また”真綿紬”というのは温かみのあるもので、12月〜2月の真冬向きの素材があります。
3月4月5月、春の袷の素材について・・・
蕾がつき、花が咲き出し始める、冬が終わって気持ちが軽やかな季節ですね。この時期の袷は、素材自身も軽やかなものがよいでしょう。縮緬でもちょっと薄手の縮緬や、綸子、もちろん紬なんかもよろしいです。色合いや織りが軽やかなものを選んでください。
たとえば生成りの春らしい色味の紬の着物に半幅を合わせて可愛らしく装うのもお花見なんかにぴったりではないでしょうか。
色味はパステルカラーなんかもよいですね。
”木綿”は立夏以降、暦で夏が始まるとされている5月あたりから着られます。
6月、単衣の素材について・・・
この時はやはり単衣といいましても、反物は袷で選ぶものと同じものを選びます。裏地をつけるかつけないかの違いだけですので。
素材は薄めで色味も薄めのものがよいと思います。
6月9月に着る「単衣仕立て」には、”絽縮緬”、”絽紬”、”夏結城”、”夏大島”、そして”麻”ですね。6月といっても暑い日がありますので、そんな日は麻も良いでしょう。
6月後半ともなりますと、夏のような暑さがでてきますので、そんな時は涼しげな素材の、”絽”、”縮緬”、”紗袷”というのがよいと思います。
この”紗袷”ですが、お着物の始めた頃の方には着こなすのにちょっと難しいかもしれません。中上級者むけですので、着慣れてきた頃に”紗袷”に選んで楽しんでいただくと良いと思います。
7月8月の真夏の素材・・・
透け感のある見た目も涼やかな素材を選びます。
透け感のある素材ですと、”絽”、”紗”、
着心地が涼やかな”麻”があります。
さらに”麻縮”というのがありまして、麻と綿、麻と綿を合わせた素材です。透け感はありませんが夏には涼やかに着ることができます。
この時期にはお祭りや花火大会などがあります。そんな時にはもちろん浴衣ですね。木綿の浴衣があります。
私は夏の普段着物として浴衣を着ております。その時には、見るからに「浴衣」という柄ではなく、最近は着物のような柄の浴衣がたくさんでています。「総絞りの浴衣に博多帯」なんていうコーディネートが夏の定番スタイルですが、衿をつけて足袋を履きますとちょっとしたお出かけ着やお買い物としても遜色なく着られます。
夏は汗をかくので浴衣を着物風に着るのは、涼しくてとっても楽ですよ。
※浴衣はお祭りの始まる時期の5月頃から着れます。花火大会のある真夏に着るイメージのものですが、5月6月7月8月と着れるんです。私は暑くなってくると浴衣を最優先して着ます。
5月6月に浴衣を着るときに注意することは、「柄」です。真夏の花火大会に着ていくような柄のものは控えて、もう少し着物っぽいお柄のものですとよいでしょう。
9月の素材・・・
夏から秋に向かっていく印象の単衣を選びます。6月の単衣とはちょっと重みのある感じが良いのではないでしょうか。
まだ暑い日もある9月上旬は、透け感の少ない素材でもよいですが、
中旬以降は透け感の無い素材が良いと思います。
秋らしい”絽縮緬”なんかがよろしんではないでしょうか。
秋の袷のお着物・・・
秋の袷のお着物は、よく使われるのが”綸子”ですね。また”一越ちりめん”なんかは非常にきやすくておすすめですよ。
着物 初心者 着付け始めに
着付け教室などに行かないで、着付けをお家でマスターしたい方向けのちょっとしたお話をさせていただきます。
非常に気やすく親しみやすいお着物として、「ウール」「綿」、「浴衣」のお着物があります。この3枚とも単衣仕立てですので非常に練習がしやすいと思います。
ウールと綿のお着物はカジュアルな普段着物ですので、近所におでかけなどにぴったりのお着物です。そして真夏以外のオールシーズン着ることができます。ですので、この辺りのお着物から着物を始めてみるとハードルが低くなるのかなと思います。
また練習用には浴衣から着るのが良いんではないでしょうか。浴衣で何度も練習していくと基本が身につきます。
最初から和装下着を揃えて、長襦袢、着物、帯と全てマスターしようとするとやっぱり大変で、気持ちも萎えてしまいます。
浴衣ですと合わせる帯は半幅帯や兵児帯ですので、結び方も難易度が優しく、より練習しやすいのでその点も、浴衣で練習をお勧めする理由の一つです。