美しくある権利と義務 〜着物の心3〜

美しくある事は女性として生まれた最高の権利と義務では無いかと思います。

「音響栽培」「音響熟成」と言う言葉を耳にする事があります。

美しく優しい音楽を流すとか、毎朝話しかけた果実は甘く大きく成るとか、乳牛のお乳が良く出ると聞いた事があります。

私も奇麗に咲いた花にありがとう・良く咲いてくれたわねと思いながら
時を忘れて眺めている穏やかな朝の時間が一番幸せな時です。

ある方が、
心を通わせる「客」がいないと自己満足に終わります
自分の慰めに生ける日があってもいいのですが・・・
茶の湯が主客で成り立っているように花も心を通えあえる客がいないと、
と言っておられます。

見てもらいたい、心通わせてこそより一層嬉しさが増すものです。

床の間の一輪の野の草の為に足を運び、花器や敷板を揃え・季節のお軸を選び・香にと心を配る。
この時間は自分も喜びの時。
お客様にかすかな香りの気配に季節を感じて頂こうと心砕く。

SPONSORED LINK

其の為に長い月日を費やす事も。
これ皆、楽しんで頂きたい・歓んで頂きたいとの
心映えがそうさせるのかも知れません。

何処までも心を尽くすという義務を果たす中に美しくある権利が生まれて来るのです。

「茶話指月集」の中に「利休あさがほの茶の湯」という事が描かれています。
「色鮮やかなる一輪床にいけたり」
太閤はじめ、召しつれられし人々、目醒むる心地し給ひ、はなはだ御褒美にあずかる」

庭一面咲いたあさがおの噂を楽しみに来た秀吉を迎えたのは、
花が全て摘み採られた庭、床の間に唯一輪のあさがお。
如何にあさがおを美しく見てもらうかと一輪の花にかけた利休の心。
此の美しく見てもらう・楽しんで頂きたいという配慮・演出・心意気に最善を尽くす。
そこに感動したのです。

此の事が、「詫び・さび」の世界にいざなう・茶室に向かう小さな露地に
花を植えなくなりなった一つの理由の様にも聞いております。

利休の新たな発想により、
おもてなしのあり方・花器・掛け軸・料理・器・建物さえ変わり、
新たな美の日本文化が生まれてきました。

一杯の茶を差し上げる。
それだけのことであり、それを含んだ全ての事なのです。

美しくある権利と義務
そこにはこの上なく美しくある事への権利と義務が存在します。

其の誠意と配慮が伝わるからこそ人は感動するのではないでしょうか。
其れは美しく演出出来る能力のある人の権利でもあり、
そう表現しななければならないという義務でもあります。

貴方は美しくある為の誰にも負けない努力が出来るでしょうか。

次に紹介する美の天才たちの格言・とても参考になります。

ココ・シャネル
装いは科学・美しさは女の武器・謙虚さこそがエレガンス。

ヘレナルビンスタイン
美しくない女性はいない、怠惰な女性がいるだけです。

クリスチャンディオール
情熱は全ての美の鍵です。情熱なしで魅力的な美など存在しません。

日本が誇る伝統芸術でもある着物。
其れを纏う私達・日本女性は美しくある権利と義務を併せ持っています。
であるならばより美しく装おう事を楽しみとしていきたいと思います。

そして貴方にはせっかくの権利を十分に楽しんで頂きたいと思っております。

SPONSORED LINK

投稿者: mika

『かしこく、たのしく、うつくしく』をめざして生活のなかに自然と着物と「和」の心をとりいれ、着物生活を楽しみたい方を応援する着物教室です。

SPONSORED LINK